あゆもんの自省録

過去現在の自省録を未来へと

自称コンサルタント

【自省録】1.5

 

 私は今や、コンサルタントという人を疑ってかかるような性質をもっている。

 

しかし、この時の私はただひたすら、この人を信じようと自分自身に言い聞かせて事業を進めていくことになった。

それは、コンサルタント、親、経営パートナー、親会社、取引先の社長と色々な人を信じて信じぬく一歩であり、すべてから裏切られる一歩でもあった。

 

野村さんという人が経営しているNMCという会社はキノコの菌床と、その栽培指導、販売などを行って生計を立てている会社であった。

家からは車で2時間もかかるところにあった。

「どーも、初めまして野村です。木村さんからきいてますよ。きのこやりたいんだって?いやー君たち運がいいよ。俺と出会えてキノコ業界は詐欺がおおいから」

 

そういいながら、うそぶく野村さんは、どことなくカントリーミュージックでもすきなのかな?と思わせる、皮のジャケットとジーパンをはいた初老の男性だった。

 

私は後から知ったが、この野村という人物も多方面から詐欺師と呼ばれており、キノコ業界は慣習なのか皆がお互いを詐欺師と言い合う性質がある。

 

母は、ずーとにこにこと笑顔でマシンガンのように質問をしていた。

「ほんとうにおもしろいですね。作ったキノコはうれますか?どうやって作るんですか?建築費用はいくらくらいかかるんですか」

 

野村の目がギラリ光ったような気がした。

「そうですね。ハウス1つ300万くらいですかね。あと菌床は一つ250円ですかね。私が建てればぴしゃりとしたハウスを建てて、一つから1kg取れるよう最後まで面倒見ましょう」

 

母はその言葉を聞くと上機嫌に握手をすると帰路に就いた。

車内で打ち合わせをする。

  • 10棟建てよう
  • 3000万円くらいの投資
  • 乾燥キノコは1kg1万円で売れる。
  • 年間売り上げ目標1億

今となって考えると、捕らぬ狸の皮算用であり、夢ばかりが膨らんでいる設計であった。

でもその時は、母と二人でうきうきとした気分を抑えきれず、今からやってやるぞっと意気込みばかりが先行していた。

 

今度は、計画を立てて、銀行と役所に乗り込まないといけない。

今年は忙しくなりそうだと考えながら2時間の車中を過ごしていた。

 

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