人生の岐路
【自省録】1.9
いまでは、こう思う。機械投資は大した問題ではないが、人を雇うことはリスクが高すぎると。
私は、一つの考えを親に示した。地元での採用は限界がある、ここには専門人材が少なすぎるので、ちょうど大学からの友人が微生物系の大学院を出てるやつがいるのでそいつをつれてくると。
母は、いい人脈があるじゃないと手をたたいて喜んだ。
この杉本という人物こそが、裏でほかの従業員を先導し、売却先にいらぬ噂を流し、私を排斥し、追い詰める人物であった。
しかし、この時点での私は、長い付き合いで親友とも呼べる存在であった彼を信頼しきっていた。
この杉本を工場長にすえ、正社員2名を地元でのハローワークを通して雇い入れ、近所のかたがたを10名ほどパート作業員として雇入れるとことなった。
この採用こそが、この事業の最大の失敗であり、私、母、父の「甘さ」のあらわれであった。
こうして、人を雇入れ、ハウスを建て、資金を準備し終わった私は、有頂天になっていた。このあとから、ガタガタおきる問題に5年間頭を悩ますこととなるとは思ってもいなかった。