資金の調達と役所の対応
【自省録】1.6
私は得意なことがある。補助金の取得、事業計画づくり、事業実行である。
人間一番得意なことで躓くというが、私もまさにそれであった。
その第一歩が、キノコの事業計画であった。
今見直すと非常に乱雑であり、まさに絵に描いた餅みたいな計画であったが、なぜかそれがはまり、補助金、助成金、融資を順調に引き出すことになる。
私は、パソコンを前ににらめっこをして、つたない事業計画を練ることとした。3000万円を借り入れを20年で返して、売り上げは1億、経費は8000万円とざっくりとした計画はこうであった。
売り先は、野村さんがいくらでも紹介してくれるらしく、安心していた。
計画書を1日で仕上げると、まずは取引銀行の信用金庫に取引を申し込んだ。なぜかすんなりと通った。しかも制度融資まで引き出すことに成功をして、低金利で借り入れを起こすことができた。
その当時の経営状況は、悪かったし、資金繰りも毎月困っている状況なのはわかっていたが、ちょうど、コンクリートから人への政策が実行されている最中であったため、さらりと通ったと思っている。
その時の担当者の方がまた優秀な方で、非常に本部の稟議を通すのがうまかった、この成功体験が、次の優秀ではないバンカーが来たときの対応を誤る原因となった。
次は、役所への廃校跡を借りに行く算段をつけに行く。
ここで、行政にだすときの文章作りのコツを一つ
- まずは事業計画を文章でざっくり
- 少々の地域貢献、地域から雇い入れをおこなう。などのお題目を盛り込む
- 金額根拠などは適当に、どうせ細かい数字は誰も見ない
- 流行ってるワードも入れるとなおいい
そうやってそれっぽいものを作り借りに行く相談をしに行く。
そうすると何個か紹介はしてくれるが、ここで意地悪をされる。
行政がもっている建物は利用権順位があるので、それが問題ですといわれるのだ。
- 地域住民
- 公共的な機関、組織、団体
- 一般企業
つまり、廃校のグラウンドでグラウンドゴルフを行って利用しているからだめ。といわれれば、それまで。借りることができないのだ。
しかも行政が紹介するのはそれらをスクリーニングしていないことが多い、良さそうだと思って話を進めるて初めてわかる場合が多く、結局なかなか進まないのだ。
しかし、今回の場合はたまたま10年以上使っていない場所があり、すんなりと借りれることができた。田舎特有の地域の有力者にはきちんと挨拶をしての結果だった。
それから、測量をして、地域住民の説明会も開き、初めて契約まで結ぶことができた。
この作業で4か月は時間を要してしまった。
並行して進めていることがあった。それは補助金の取得についてであった。